ある物は、価値ではなくとも、使用価値であることがありうる! [資本論番外編]

資本論のレジュメを書いていこうとして次の文章に出会いました。大月書店版55ページ、上記のタイトルに続けて「それは、人間にとってのその物の効用が労働によって媒介されていない場合である。たとえば空気や処女地や自然の草原や野生の樹木などがそれである。」

NHKで放送したグレート・サミッツ「ヨセミテの大岩壁に挑戦」をHDDに録画し視聴しましたが、これこそまさにそれです。EL CAPITANの圧倒的な垂壁、その向こうに見える印象的なHARF DOMEの姿が自然の作り出す風景の素晴らしさを教えてくれます。スコットランド出身の博物学者、ジョン・ミュアがここを訪れ、開発のままにおくにはあまりに弱い自然だ、ということに気づきます。その彼の努力によってアメリカ第二の自然公園に指定されました。ヨセミテ国立公園、番組では年間400万人の観光客が訪れているといいます。こうした環境で自然を守るレインジャーの苦労も紹介されていました。

驚いたのは、クライマーのメッカ、第4キャンプ場にあるコロンビア・ボルダーの課題、ミッドナイト・ライトニング(真夜中の雷)を、今は若く可愛い女性がいとも軽々と登っていたことです。これを登るジョン・バーカーの姿が岩と雪72号の表紙を飾ると日本でもフリー・クライミング・ブームが起こりましたが、徐々にかぶってくる壁、最後は上のリップに指だけでぶら下がり、足を固定したあと体を引き上げマントルを返します。落ちたらただでは済まないハイ・ボルダー、30年たち今では伝説でも何でもなく、努力すれば誰でも手に届く課題になったんだな、と思いました。

来年は相方が還暦を迎えます。ヨーロッパ・アルプスに行こうと言っています。相方とはこの夏、久しぶりに剣岳に登ってきました。かつては夏の北鎌尾根、北岳バットレス第4尾根や剣岳八ツ峰Cフェース、 冬の白根三山縦走を共にしました。小柄ながら怪物だった相方も、今は多少の故障をかかえる身、私もメタボ度アップの毎日です。軽いハイキングで山々を眺めるだけだろうと思いますが、ガイドに導かれてガイヤンの岩場を登れればいいなと考えています。

ジョン・バーカーはソロ・クライミングをよくしましたが、今はいない。2009年7月に墜死してしまいました。合掌

Midnight Lightningの動画、登っているのは90年代にクライミング・コンペの女王だったLynn Hillさんです。

 


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