4月17日 単純な姿態で捉えられた商品生産、流通関係の概念図 [資本論番外編]

 以前、紹介することを予告した図がこれです。
スキャン0001.jpg
 記号の説明です。
 A~D:単純な姿態で捉えられた商品生産者(商品生産の当事者)
 W1~W5:生産された商品(数字の違いは使用価値の違いを指します)
 G:貨幣(Geld、ドイツ語)

 また、この場合の商品生産者とは、a.生産手段(労働用具+労働対象)の所有者であること。b.「自然発生的な社会
 的分業」の諸分枝を担う商品生産の当事者であること。c.(これが重要ですが)商品の生産を「自己労働」によって
 (単純な独立した小生産者として)行うか、それとも「他人労働」(資本ー賃労働関係のもとでの賃労働)によって行
 うか、は度外視(捨象)して、全商品は、単に「相互に独立した・一定量の私的労働」によって生産されているものと
 想定→この商品生産者は、社会全体が必要とする労働(社会的総労働)の一部を、生産過程で、相互に独立して、
 直接的には「私的労働」として行なっている者、と想定する。 

  これは、第1章、商品から、第2章、交換過程まで、この概念図を念頭におきながら資本論を読むと良いでしょう。
 私も初めて資本論を読み始めたころ、労働者も資本家も登場しないことに面食らったものです。登場人物らしいのは商品生産者しかいません。これは労働者を指しているのか、資本家を指しているのか考え込んでしまいました。しばらく読むうちに、マルクスは現実の資本主義社会ではなく、それから具体的な要素を捨象した社会を、議論の前提においているのではないかと思うようになりました。
 今回、資本論講座に出席し、中川先生のレジュメの中に、この図が出ていて、説明を受けてなるほどと思った次第です。また、つい二三日前ですが、私の本棚から、何時手に入れたのかわからない服部文男先生の1997年6月発行の講義要綱が出てきたのですが、この中にも同様な図が載っていました。労働者教育に携わる先生方の間で、かなり前から利用されているのでしょう。

 でも、現在の私の体験からすれば、資本論読解の助けにはなりますが、あくまで参考です。 本筋はやはり本文を何度も何度も読み返さなければなりません。

 さて本筋の資本論読解は、価値形態論を書いているところです。頭をかかえながらも、ようやく理解に達しそうです。
 乞うご期待!

 


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